国連改革が先だろ!
侵略的な今のロシアや中国の姿勢を看過出来ないとして日本の国防を声高に語る諸氏に告ぐ。
いくら軍事的に優位に立とうとしても、日本は第二次世界大戦の戦勝国との国連における圧倒的な立場の差があるので、万が一彼の国から軍事的に侵略されても我々日本国民は無力という他ないのだ。何故なら侵略国側が安全保障理事会で拒否権を行使出来る常任理事国なので、仮に日本が横暴で一方的な侵略戦争を仕掛けられたとしても国連の中では常任理事国からの軍事侵攻を加盟国全体で抑止する手立てはないからだ。
さらに個別に反撃しようにも、日本は当時の敗戦国故に敵国条項の縛りが未だに解けていないので軍事的オプションをとりにくい。かろうじて米軍基地の存立にリスクがある場合に限ってアメリカが参戦する可能性はある。が、アメリカの利害に関わる場合に限られよう。
国連に対し日本は毎年莫大な負担を行っているのにこのあり様であり、こんな差別的な実態を放置したまま個別に軍拡路線に邁進したところで、特にロシアや中国からの侵略を防ぐことは出来ない。まずは日本が加盟する国連の制度設計を変えないと特に国連の常任理事国からの侵略には永遠に対抗出来ないということだ。「敵基地攻撃(反撃)能力だ!」「アメリカ軍との核共有だ!」と勇ましい御託を並べる前に既にアメリカとは不平等な地位協定をなくしたドイツやイタリアとともに国連改革を始めたらどうか。
さて国連の安全保障理事会ではウクライナをめぐる各国の決議案がロシアの拒否権によって否決され、安保理の機能不全が指摘される中、常任理事国が拒否権を行使した際にはその理由を国連総会で説明するよう求める決議が国連総会の総意として採択はされた。だが今の侵略国ロシアにどこまで効力があるのか甚だ疑問である。