何から何を守るというのだ?
先日、国会で軍拡(軍事)予算確保法が成立した。軍事力強化のため、防衛予算をGDP比2%に倍増させようとするものだ。防衛費を増強して何から何を守ろうというのだ?
ロシアのウクライナ侵攻以来、「日本を第二のウクライナにするな」と右巻きの連中は声高に叫ぶが、日本には米軍基地が世界で一番多いのだ。米軍基地のないウクライナと状況が全然違う。ウクライナにNATO軍若しくは米軍が駐留していたらロシアが攻めてくることはなかった。
また日本はこれまでアメリカ軍の駐留経費をどれだけ負担し、どこまで差別的で一方的な地位協定を受け入れてきたというのだ。いざというときに米軍が日本を見捨てるというのならさっさと出て行ってもらおうではないか。
「国を守る、国民を守る」というのは、国民の生活や命を守るということ。それが日本の安全保障でもある。しかし今の政権与党は外交力を放棄し、アメリカの言われるまま軍備増強に走るという実態である。国民の命を軽視しているとしかいえない。そもそも国民を軍事力で守れるのか?軍事力で何を守れというのか?アメリカの利益か?
定員不足の自衛隊員を放置したまま、一方的にアメリカ製兵器を大量に買い込んでもそれを使いこなすだけの人員が決定的に不足しているのである。つまり国防にも安全保障にも寄与しない無駄な兵器の爆買いなのだ。そして無駄なだけならまだマシ
過去、わが国は殺人兵器を積み上げれば積み上げるほど他国への侵略と自国民へと暴力の矛先が向けられてきた歴史がある。あの開戦責任を問うことなく曖昧にしたまま、今、再び軍事力増強路線に突き進んでいる。戦前と同じ轍を踏んでいるとしか思えない。国民から巻き上げた税金が軍事産業に流れ、その分国民の生活が苦しくなり、生活や命が削られていくという悪循環。そしてシビリアンコントロールが機能不全だから買いまくった殺人兵器の使い道に困り、うたかたの平和を壊す最大の武器へと変貌するのである。こんな悪夢のような実態、変えなければならない!