戦争の代償
モスクワ市内では、ロシアのウクライナ侵攻に対する国際社会からの制裁で外国企業に働く約20万人が失業する可能性が出てきたというのだ。とんだとばっちりである。権力者が領土拡張の誘惑に駆られると大きな代償を払うことになる見本だ。
しかし制裁をかける西側世界も大きな痛手となっている。ロシアからの天然資源が得られず、石油や天然ガス、木材などの高騰で莫大な負担となっているからだ。当事国だけでなく他の国も無関係でいられない。戦争の代償は計り知れないのだ。全世界の経済活動を歪め、多くの国民を苦しめている。だが反面ほくそ笑んでいる国や関係者もいるのが皮肉だ。中東産油国やシェエールガスの豊かな米国、そして武器商人たちである。人の命は地球より全然軽いのが現実だ。