え、ロシア化、北朝鮮化?
周辺国からの脅威があるとしても、危機感を煽り、同じように武力化、国防化を進めていくと敵対国同士段々似てきてしまうのが世の常だ。武器の装備品や軍事的即応体制だけではなくトップダウンに繋がる政権内の緊急事態体制までもが瓜二つとなってしまい、その後はシビリアンコントロールが効かなくなる。
百歩譲って外の脅威に対しての即応体制づくりだけならまだしも、今の北朝鮮や中国、ロシアを見るまでもなく軍事化が国内の締め付けに使われるようになるから国民とってはたまったものではない。歴史的にどこの独裁国家でも、外からの脅威を喧伝しながら国内の反対勢力を追い込み、軍隊を自らの権力基盤を強固にする手段に転化していく。その過程で国防化と愛国心教育が欠かせないから我々は気を付けなければならない。
翻って我が国では、ロシアの侵攻事例をあげつらうなどして政権与党が侵略国家の脅威を必要以上に強調すればするほど表には出ない黒幕の策士が良からぬことを企み始めたと見た方がいい。一触即発の戦争状態を被害妄想的にでっち上げることに関しては彼らはプロであり、自らの戦争利権に繋がる裏ルートが完成さえすれば、国民の命や国民主権などどうでもいいと思っている輩である。だから仮に日本が戦争に負け、何処かの侵略国家に蹂躙された途端、彼らは掌返しで力の強い侵略側に寝返り、敵国の下僕となってまたしても裏ルートで暴利を貪る連中となる。非国民はどっちだ?
これは過去、日本人が何処かで目撃した光景ではないか。戦前あれほど愛国心や修身を押し付け、国家神道を説き、勝てっこない相手を鬼畜米英と揶揄して負け戦を煽っていた軍国主義者が敗戦と同時に占領軍に取り入り、米軍の配給物資を闇市に横流し、朝鮮戦争特需もあって巨万の富を築き、戦後日本の裏社会の闇ルートを作ってきた事実と重なる。ということは彼らは今はアメリカ中心の世界戦略に迎合していても、万が一中国やロシア、北朝鮮などのならず者国家が世界を主導しようものならアタマの切り替えは早いし、日本の郷土や国民、産業、政治体制などいとも簡単に差し出してしまいかねない連中だ。利権の臭いに敏感でも国民の幸福などこれっぽちも気にかけない闇紳士の面々である。税金や行政の私物化、自己愛のためなら日本がロシア化、北朝鮮化されようがどうでもよいと思っている連中の口車に乗らないよう「気を付けよう、暗い夜道と軍国主義!」を肝に銘じたい。