ロシアは特異な国であろうか?固有な歴史的背景を持っているものの、どの時代においても独裁色を強める権力者は今のロシアのような独善的な政治体制を作り上げ、その過程で仮想敵国をでっち上げ、侵略戦争を始めるものである。求心力が高まり内部対立などを覆い隠すには都合がいいからだ。戦前の日本、ドイツ然り、その後の中国、ミャンマーも似たようなものでロシアだけではない。ただ強引過ぎると綻びも早い。

さてプーチンのような偏狭な権力者は歴史上珍しくない。国民の稼いだ富や資源を私物化するただの狡い独裁者なのに国内では「救国の英雄」として君臨する。ナチスと戦って勝利した5月9日の戦勝記念日でも、ウクライナのネオナチを支援しているとする西側の侵略からロシア圏の安全保障体制を守るのだと自負する。が、ウクライナ人にとってはロシアこそナチズムでありテロ国家なのだから何をか言わんやである。自国に都合がいいように歴史認識を作り変え、悪魔を正義と言い換えてしまうレトリックには感心するが、その陰で罪のない多くの人が犬死にしていることを忘れてはならない。

ヒトラー、ムッソリーニ、スターリン然り、習近平、プーチンと現在も世界中で似たような独裁者が少なくない。身近な会社や役所、地域でもミニプーチンのような権力者が周囲の事物を私物化している事例は沢山あると思う。いわばプーチンはどこにでもいる厄介な人物だが、必ずその権力を支える取り巻きがいるから成り立つのだ。無謀で独善的な命令も「神の思し召し」として広く有難く受け入れられてしまうから厄介だ。ただそんな皇帝に従順な取り巻き連中も油断していると粛清の対象となりかねない。不穏な動きが政権転覆に繋がるからで、古今東西、権力者は身近な取り巻きには常に警戒しているものだ。