裏金政治の本質とは?

多くの与党議員が裏金作りに奔走し、日本政治を歪めてきた事実は既述の通りである。が、その本質とは何だろうか?

まず法的問題として、裏金を選挙民にばら撒けば公職選挙法違反であり、余った裏金を収支報告せずに個人所得にすれば所得税法違反に当たる。組織ぐるみの犯罪者集団として告発可能である。

だがそれ以上の問題として、そんな裏金まみれの連中が日本の法律や予算を作ってきたことが最悪の事態を招いてしまったことを忘れてはならない。30年間日本経済を衰退させ、国民を二極化し、大半の国民を貧困化させてしまったことは彼らのせいではないか。

裏金を作ってくれる業界団体や利害関係者の喜ぶ政策を作り、その裏金を使っては選挙を仕切って政権を維持してきたのだから、そもそも国民のことなど微塵も考えてはいない。物価高なのに何度も消費税を上げては国民から可処分所得を奪ってきても平気な連中なのだ。

ほとんどの国民は株高や春闘の恩恵もない。円安や資源高による物価高騰で名目賃金があがっても使えるお金は目減りしているのが現実だ。今や稼働年齢層ですら実質所得が減っているので大半の国民の生活は苦しくなる一方だ。

これまで裏金漬けにされた国会議員がそんな国民を放置し、裏金を得るために負担や犠牲を国民に押し付けることしか考えなかったのであるから、裏金政治の闇は深いし重い。