ズレた戦争賛美の頓珍漢コメント

ゼレンスキー大統領の国会演説の後に飛び出した憂国の士を無条件で称えるような山東昭子参議院議長の発言に違和感を覚えたのは

私だけではあるまい。戦争状態にある一方の当事者を感傷的に絶賛したところで何の解決策にも至らないことは明白であり、やはり

専制と隷従を平和的手段で求めるべき国会議員にあるまじき行為といえないか。

合理的かつ理性的な判断を遠ざけられ、膨大なフェイクと愛国心に踊らされ祖国防衛という名の侵略戦争に駆り出されてきた軍国主義者に通じる怖さを痛感する。

こんな参議院議長に言われなくても侵略されれば武器を持ち身を挺して戦う国民は少なくないだろう。むしろこもような発言は国家間の問題解決の行き詰まりに窮して武力侵攻する側が発しがちな言質に近いものであり、だからこそ軍事力に頼りがちな為政者には憲法9条のような足かせが必要であると実感するのだ。

歴史上侵略されていた側が時に侵略する側に逆転することもしばしばある。だから自衛戦争の美化に前のめりになってしまうと、でっちあげの情報統制を敷くことに成功した時の政府によって「平和と祖国防衛のため」と称した侵略戦争に安易に乗せられてしまうことを我々は学んできたはずである。