ウクライナ戦争の行方

この戦争の結末はまだ分からないが、2022年に始まったこの戦争の意義は大きい。1.核戦争は起こり得るということ。2.ヨーロッパにおいても通常戦争や侵略戦争は起こり得るということ。3.人間の本質は理性ではなく野蛮であること。以上のことが改めて思い知らされたことは大きいのではないか。

日本人に与えた影響も計り知れない。ペンの力、外交の努力など軍事力の前に無力であり、備えあれば憂いなしとばかりに軍備増強や愛国心賛美に走りかけている。平和ボケした憲法9条の遵守など完全に無力であるから早く憲法改正に進め!と言わんばかりである。それでいいのか?

確かに攻められる国が平和憲法を振りかざしても無意味である。憲法9条は攻める側を縛るためのものであるからだ。侵略戦争を起こさせないためのシバリを侵略を受けた側が唱えたからといって侵略がなくなるものではない。神にすがる幻想のようなものだ。憲法9条があろうがなかろうが侵略されたら自衛のための戦争は認められるし、戦わずに逃げる、降参するというのは余りに呑気過ぎる。

そうはいっても何もないところに侵略戦争は存在しないし、戦争の火種になるような問題を安易に武力で解決しようとすると無駄な戦争を招きかねない。武器商人が仕掛ける争いや利害関係者が煽る愛国心に巻き込まれてはならない。それこそ戦争ボケした厄介な連中の罠に引っ掛かり大火傷を負ってしまうからだ。ニセ旗作戦やフェイクの侵略ネタに騙されることはないようにしたい。